シースクリームを初めて作った創業128年の老舗洋菓子店|梅月堂本店

お知らせ

さて、今回は明治27年創業の梅月堂へお邪魔してきました!

個人的な話ですが、私は小さい頃からお誕生日のケーキや手土産などで梅月堂さんをよく利用させてもらっています♪

おいしいお菓子に胸が高鳴ります!

創業128年を迎える長い歴史!

早速ケーキといきたいところですが、まずは梅月堂さんの歴史からご紹介します!

長崎市大浦町で創業した梅月堂。なんと2024年で創業130周年を迎えます。

創業後、大浦町、石灰町、船大工町とお店を移し、1927年に現在の浜市商店街に店舗を構えて今年で95年

地域にしっかり根ざしているからこそ、こんなに長い歴史があるんですよね。

移転当初の様子【梅月堂 提供】

手前のお店が梅月堂です。『梅月堂ベーカリー』という看板だったんですね。

長崎人なら誰もが知る「シースクリーム」

シースクリーム【梅月堂 提供】

ご存じの方も多いと思いますが、梅月堂はシースクリーム発祥のお店です。

まだバタークリームが主流だった時代。長崎で初めて生クリームを取り入れて開発されたシースクリームは、発売当初から大人気だったようです。

そもそもシースクリームの「シース」って何なの?

初代シースクリームは、楕円形のブッセ生地にカスタードクリームをはさんだお菓子でした。

その形がちょうど莢(さや)に入った豆のように見えたので、英語で「さや」を意味する単語を探しましたが、刀の鞘(sheath:シース)と間違えて「シースクリーム」と名付けてしまったようです。

発売後数十年もの間、間違いに気付かれることなく大人気商品となってしまった「シースクリーム」。やっとその間違いに気づいた頃には「シースクリーム」の名で浸透してしまっていたため変更することはできません。

そこで、「誤解を生まぬよう、判りやすい表記にしよう」ということで「sheath」から「ceece」という独自の綴りに変更され、梅月堂オリジナルの名前になったそうです。

まさかのお茶目エピソードにびっくりですね!

現在販売されているシースクリームは三代目!?

時代とともに改良し、今現在店頭で販売されているのは実は三代目のシースクリームなんです!

豆のさやのような形のブッセ生地だった初代から、まわりにフワフワのそぼろがついたスポンジ生地の二代目を経て、現在の長方形の三代目となったそうです。

シンプルで上品な味わいが人気の秘訣なんですよね!

「長崎といえば」の代名詞とも言えるじげもん(ご当地)ケーキ、「シースクリーム」。
世の中の流れに対応する柔軟さを持って、当初は珍しいとされた生クリームを導入するなど、企業努力があってこそのシースクリームなんだと改めて感じました!

地元産の果物などを使用したお菓子も!

本店1階には、シースクリームをはじめ、焼菓子など沢山のお菓子が所狭しと並んでいます。

全部の商品が気になる!

焼菓子もたくさん並んでいます

どのお菓子もとっても美味しそう!
手土産に丁度良い価格帯の商品が多いのも嬉しいポイント。

こちらは某地元テレビ番組で紹介されたケーキ。

実はこのケーキ、島原農業高校の生徒さんと共同開発したものなんだそう!

地元のレモン農家さんを介してこのコラボが実現したようで、開発にはなんと1年を要したのだとか。
※期間限定の商品のため、現在では販売終了しています。

「地元のものを使って、地元の学生と開発をする」

なんて長崎愛のたっぷり詰まった商品なんでしょう!

こちらは期間限定の販売でしたが、このようなワクワクする取り組みもされています。今後も地元のものを使って様々なお菓子を作っていく予定だそうです。楽しみですね~!

2階喫茶「サロン・ド・フィーヌ」でホッと一息

そんな梅月堂ですが、実は2階に「サロン・ド・フィーヌ」という喫茶スペースがあることをご存知でしたか?

落ち着いた雰囲気の店内

こちらでは、1階で販売しているケーキを注文して食べることが出来ます!

コーヒーや紅茶などのドリンクとセットにして、優雅なティータイムを楽しめますよ。

定番のシースクリームとおいしいコーヒーでホッと一息。

「サロン・ド・フィーヌ」限定メニュー!

ロシェ・フランボワーズ

こちらは、ストロベリー・バニラの2種類のアイスクリームに、フランボワーズ(木苺)とフランボワーズソースをトッピングしたパフェで、程よい酸味と甘さがおいしい〜!!

温かい紅茶との相性もバッチリです!

店頭では販売していないアイスクリームが食べられるのも、喫茶スペースの魅力ですよね。

「サロン・ド・フィーヌ」が繋いだご縁も

「サロン・ド・フィーヌ」は、以前は長崎の文化人が集まって長崎の話に花を咲かせたり、イケてるヤングたちがデートでお茶したりと、長崎人のハイカラスポットとして人気を博していました。

異国情緒溢れる長崎の街並みを描き続けた木版画家、田川憲(1906~67)も、こちらへ足繁く通った一人。
徐々に梅月堂との親交が生まれ、その縁から銘菓「南蛮おるごおる」などのパッケージに彼の版画作品を使用することとなりました。

店内にも掲示されています

また、取材中には、「ありがたいことに『こちらの喫茶でプロポーズをしました!』という話もよく聞きますよ」と素敵エピソードも教えていただき、ホッコリしちゃいました!

長崎人の暮らしに寄り添いながら、伝統を守り継承していく・・・

浜市商店街に店舗を構える梅月堂だからこそ、様々な物語が生まれているんでしょうね。

梅月堂の今のイチオシ商品は!?

シースクリームが名物の梅月堂ですが、今イチオシの商品は「南蛮ポキータ」とのこと。

いったい「南蛮ポキータ」とは何ぞや?

おつまみにもなるチーズクッキーなんです」ということらしいですが、

ふむふむ、えっ、ケーキ屋さんでおつまみが!?ナゾは深まるばかり。

パッケージは前述の田川憲さんの版画をモチーフに。

クミン・ローズマリー・キャラウェイ・タイムの4種類のうち、

一番気になるクミンを購入してみました。

開封してすぐに、チーズの香りとカレーのようなスパイシーな香りがふわっと漂います。

一口食べてみると、ザクっとした食感とチーズの香ばしさ、クミンのスパイシーさが口いっぱいに広がりました。

確かにお酒にとっても合います…!

これまで、梅月堂はケーキ屋さんなんだから、甘いのが苦手な人には縁がないと思っていましたが、それを覆す一品。

お酒のお供をケーキ屋さんで買う!

これからはそれもアリだと思える商品でした。

大人のクッキー「南蛮ポキータ」。お酒が進みます。

まとめ

今も昔も、変わらず長崎人に愛される梅月堂。

現在、2024年の創業130周年に向けて、様々な取り組みをしているそうです。

詳しくは梅月堂公式ページまたは公式Instagram公式Facebookをチェックしてくださいね。

これからも長崎のおいしい文化をたくさん届けてほしいです!

梅月堂本店
住所:長崎県長崎市浜町7-3
TEL:095-825-3228
営業時間:【本店1階】10:00〜19:00
【サロン・ド・フィーヌ】11:00〜17:30(L.O. 17:00)
駐車場:なし(近隣に有料あり)
URL:https://baigetsudo.com
Instagram:@baigetsudo_nagasaki